11月16日、高館小学校を会場に「高館地区防災訓練」が行われました。5つの町内だけでなく、下長中学校の生徒さんも参加してくれて、会場には幅広い世代の笑顔と真剣な表情が並びました。総勢58名。数だけ聞くと控えめに見えるかもしれませんが、一人ひとりが役割を持ち寄ったら、その力は想像以上に大きい。そんなことをしみじみ感じた一日でした。
大人も子どもも、58人で力を合わせて
今年の訓練は「準備から一緒に」がキーワード。まずは防災室から体育館へ、備品を協力して運ぶところからスタートしました。いざという時、協力が大切なのはもちろんですが、そもそも備品がどこにあるのか、どうやって運び出すのかを知っていなければ、手伝いようがありません。実は、防災室の場所を知らなかったという声も多く、今回「まずは場所を知る」という小さな一歩が、とても大きな安心につながりました。下長中の生徒さんが率先して台車を押したり、声を掛け合ったりする姿は本当に心強く、地域の未来は明るいなあ、と胸が温かくなりました。
手を動かして学ぶ:段ボールベッドと簡易テントづくり
体育館では、段ボールベッドと簡易テントの組立に挑戦。最初は説明書とにらめっこしながら、部品の向きを確認したり、強度を確かめたり。コツがわかってくると、あっという間にベッドの形ができていきます。段ボールベッドは床冷えを防ぎ、身体への負担を減らしてくれる頼もしい存在。簡易テントはプライバシーの確保に役立ち、避難生活のストレスを和らげます。何より、手を動かして作ることで「これなら自分にもできる」という実感が得られるのがいいところ。子どもたちの「わたしが持つよ!」「ここ押さえて!」といった明るい声が、体育館に気持ちよく響いていました。
いざという時の食と水:配られた非常食を知る
訓練の最後には、参加者に水と保存食が配布されました。今回の非常食は、お湯はもちろん、水でも調理可能なタイプ。カレーや五目ご飯として食べられるもので、「お湯が手に入らない状況でも食べられる」という安心感は、想像以上に心強いものです。非常食は“持っているだけ”ではなく、作り方を一度試しておくと、いざという時に慌てません。ご自宅でも、休日などに家族で「非常食を試してみる日」を作ってみるのはいかがでしょう。味の好みやアレルギー、必要な水の量など、平時だからこそ確かめられることがたくさんあります。
冬に備えるもうひとつの安心:除雪機の試運転と講習
防災訓練のあとには、小学校に保管されている除雪機の試運転と使い方講習も行われました。冬の備えは、この地域では欠かせない暮らしの知恵。各町内会長さんが真剣に耳を傾け、実際に操作手順を確認する姿が印象的でした。停電や大雪など、想定外が重なることもあるのが現実です。だからこそ、機械を扱う人を増やしておくこと、点検のタイミングを共有しておくことが、地域全体の安心につながります。「知っている人がいる」というだけでなく、「自分も手伝える」という人が増えることが、強さになるのだと感じました。
次はあなたの番:今日からできる小さな準備
今回の訓練を通じて、「顔の見える関係」と「手順を知ること」の大切さを、あらためて実感しました。イベントの主役は、参加した一人ひとり。次回は、まだ参加したことのないあなたにも、ぜひ輪に入ってほしいなと思います。まずは今日からできる小さな準備を、家族と話し合ってみませんか?
- 飲料水・生活用水の備蓄(人数×日数を目安に)
- 非常食の試し調理(お湯と水、両方で作ってみる)
- 家族の連絡方法と集合場所の確認
- 最寄りの避難所・防災室の場所を家族で共有
- 冬の備え(雪かき用具、除雪機の取り扱い確認)
準備は、ひとつできたら自信に変わります。そして、誰かの「困った」を助けられる力にもなります。次の訓練予定は、決まり次第あらためてお知らせします。きっとあなたの力が必要です。次は一緒に、体育館でお会いしましょう!